第3回 探究サロンレポート

2024年4月24日に第3回目の探究サロンが開催されたので、その様子をご紹介します。

探究サロンとは、大田区の高校と連動したプロジェクトで、経営者を目指す・経営者に興味がある高校生を対象に、1年を通して経営やビジネスアイディアに関するディスカッションやグループワークを行い、学ぶ・考える場を提供するというプロジェクトです。

探究サロン

 

第3回探究サロンの様子

この日の探究サロンのテーマは「1年間かけて取り組むビジネステーマを考える」ということでした。探究サロンでは必ずしも全員が自分で考えたビジネステーマについて取り組むのではなく、他の人が出した案に共感できた場合、チームアップし共に進めていくという選択肢もあります。

この日最初に行われたのはお互いの自己紹介でした。同じ高校生が集まっているものの、学年や部活が違うのでお互いのことは知らないことが多いです。これから1年間を通して、もしかしたら一生を通してチームとして活動していくことになるかもしれない仲間が、どのような人なのか、どのようなビジョンを持っているのか、なぜ探究サロンに参加したのかを紹介しました。

高校生たちの探究サロンの参加理由は様々で、親御さんが経営者で継ぎたいので経営を学びたいという人、起業してルールに縛れれない環境を作りたいので勉強したい人、お金持ちになりたい人、といった十人十色の理由を聞かせてもらうことができました。

探究サロン 自己紹介

 

次に行われたのが、既にビジネステーマが決まっている3名による発表でした。3名共がパワーポイントでプレゼン資料を作成し、探究サロンの仲間や見学者たちに、自分が思い描いているビジネステーマを発表しました。何をしたいのか、どのような価値があるのか、なぜ行いたいのか、実現するには何が課題か、といった内容を目を輝かせながら熱く話している点がとても印象的でした。

 

「スポーツのアナリストを増やしたい」と発表してくれた高校生は、在籍している部活で既に自身でアナリストとしての活動を行っているそうです。分析用のカメラも購入するという行動力や、アプリ開発や勉強先といったこの先の明確なビジョンがあり、探究サロンに参加している高校生だけではなく見学者の先輩経営者の皆さんを驚かせていました。また、現在考えているアナリストの普及より、もっともっと大きなビジョンを掲げてみてはどうか、というアドバイスも出てきていました。

探究サロン 発表1

 

「イラストが収益につながる総合ロビーを作りたい」と発表した高校生は、現在の絵師(イラストレーター)が作品をマネタイズできる仕組みがあまり整っていないので、これが可能になる新たなプラットフォームを作成したいと話していました。新たなプラットフォームのクリエイター側のメリット、発注する側のメリットを具体的にプレゼンすることに加え、近年社会問題となっているAIに学習させた絵の対策についても検討しているという内容でした。

先輩経営者の方からも、これは新しい社会の課題を解決するモデルなのでビジネスチャンスはあり、何もないところから新たに人を救うものを作り出すというチャレンジがこの先どうなって行くのか楽しみで、一緒に見ていきたいと唸らせていました。

探究サロン 発表2

 

「好きな夢を見ることができ、夢を見ても健康的な体でいられるようなサービスを提供したい」という、大人ではなかなか思い浮かばないビジネステーマを発表した高校生もいました。夢を操るという大前提の課題があるものの、人々に希望と健康を与え、幸せになってほしいという思いが強く感じられました。また実現した際の、悪用について、夢と現実がわからなくなる、といった問題点についても議論が交わされました。

先輩経験者からは、実現性の他にもビジネスにするには何が必要か考えてみようという課題が与えられたり、一見非常識だが今まで非常識なところからビジネスは生まれてきたので、この先が楽しみだという意見も出てきていました。

 

これからの探究サロン

今回は一部の生徒の発表を行いましたが、次回からはいよいよチームビルディングが始まり、それぞれのビジネステーマをより深めていく段階に入っていきます。今回、未来の経営者の卵となりうる高校生たちが将来に向けて第一歩を踏み出しました。彼らの熱心で目を輝かせた取り組みと学びの姿勢からは、これからどのように成長し変化していくのかが非常に楽しみです。若い世代が新たな知識を身に付け、夢を実現していく姿を、今後も楽しみにしていきたいと思います。

探究サロン