今回は4/24に開催されたOSEKKAI salonの活動の様子をご報告いたします。今回はサロンメンバー18名に加え、遠方から来てくださった20代の若きオブザーバーが2名参加し、合計20名での参加になりました。OSEKKAI salonはベテランの先輩から20代の若手まで、様々な世代が集まってディスカッションやアドバイスが行われ、刺激を与えあえる場です。
3月の第1回 探究サロンの報告
「こんにちは!!!」と活力溢れる挨拶をする安久工機の田中宙さんのから、3月からスタートした第1回探究サロンの活動報告をしていただきました。探究サロンとは、高校と連動したプロジェクトで、経営者を目指す・経営者に興味がある高校生を対象に、1年を通して経営やビジネスアイディアに関するディスカッションやグループワークを行い、学ぶ・考える場を提供するというプロジェクトです。
第1回の探究サロンでは、現役経営者であるBUKLE COFFEEの石山さんの講演や、ビジネスアイディアを出し合うディスカッションを行いました。ディスカッションでは高校生ならではの意見が多数出てきており、田中宙さんに「自分の高校生時代とはレベルが違う」と言わしめるほどだったそうです。またディスカッションの場ではなかなか意見が出せなかった人も、探究サロン終了後に個別に先輩経営者の皆さんに自分の考えや不安を相談したり、質問をしている様子が多く見られたそうです。
この日のOSEKKAI salonの後に探究サロンの開催があり、その司会進行を務めるタムラエジアの田村さんは少し緊張した様子も伺えましたが、メンター山下からの上手く進行させる方法や回し方のコツをアドバイスしてもらい、少し緊張が和らいでいる様子でした。
おおたオープンファクトリー紹介
おおたオープンファクトリーとは、1年に1度、大田区の工場を一斉に公開し、工場の技術・製品・現場を知ってもらったり、実際にモノづくりを体験してもらう工場見学会のイベントです。おおたオープンファクトリーは10年以上前から開催しており、子どもから大人までモノづくりに興味を持った方が全国から集まります。
2024年も11月30日に開催予定で、今年はOSEKKAI salonのメンバーでもある安久工機の田中宙さん、マックスの正木さん、メンター寺西を中心にプロジェクトを進めています。昨年は約30社の参加でしたが、今年は50社の参加を目標に掲げ、大田区の製造業を盛り上げ、モノづくりの魅力を多くの人に知ってもらうための準備が着々と進んでいるようです。
昨年も主催していた田中宙さんからは、モノづくりに興味を持った見学者に喜んでいただいたり楽しんでいただくのはもちろんだが、普段無機物と向き合うことが多いエンジニアが見学者と触れ合い直に感想をもらう貴重な経験の場にもなる、というお話もあり、OSEKKAI salonのメンバーも大きく頷いている様子でした。
ベンチャーフレンドリープロジェクトについて
続けて行われたのが、安久工機の田中宙さんが発起人となり立ち上げた「ベンチャーフレンドリープロジェクト」についてのご紹介でした。ベンチャーフレンドリープロジェクトとは、新たに製品を開発しようとする人々(=ハードウェアベンチャー)のベンチャーフレンドリーな大田区の町工場をスムーズに繋げ、モノづくりの可能性を広げることで、大田を「日本一ベンチャーフレンドリーなコミュニティ」「革新的なプロダクト開発の聖地」にする、という取組です。
このベンチャーフレンドリープロジェクトは、関東経済産業局からインタビューを受け、企業、組織間の連携を実現した取組として「SDGs経営先進REPORT」で紹介されたそうです。
数年前の構想段階では「実現したらまるで夢物語のよう」と感じたそうですが、現在は田中宙さんを中心に盛んに活動が行われ、行政のも注目する一大プロジェクトとなっています。モノづくりを盛り上げ、大田区をモノづくり天国にしたい、という熱い想いとバイタリティーのある田中宙さんがいたからこそ、このような結果が実現できているのだと感じました。
OSEKKAI salon新メンバー、田中 恵一郎さん、渡辺さんの自己紹介
新たにOSEKKAI salonのメンバーとして加わった永和産業の田中恵一郎さんに自己紹介をしていただきました。自己紹介では田中恵一郎さん自身の紹介や、永和産業が行っている事業について紹介していただきました。その中で永和産業では主に豆腐を取り扱っているにもかかわらず、田中さんが大豆アレルギーであるという衝撃の告白もあり、OSEKKAI salonのメンバーの間でも笑いとどよめきが起こっていました。
田中恵一郎さんは今後事業承継をしたいと考えているので、経営についての学び方をOSEKKAI salonの先輩経営者の皆さんに質問されていました。先輩経営者からは、先代や上司の方から学ぶことはもちろん、銀行、税理士、コンサルの方から数字の見方や経営者としての考え方を学んだ、という方もいらっしゃいました。また経営者のための勉強会にも参加してはどうか、というアドバイスも出てきていました。
先輩経営者から事業承継を目指している方へ、実体験を元にした真剣なアドバイスをされるシーンを見て、これぞOSEKKAI salonの魅力のひとつなのだと強く感じました。
続けて同じく新しくOSEKKAI salonのメンバーに加わった渡辺精機の渡辺さんからの自己紹介がありました。自己紹介では、苦労した時代もあった中、一念発起し乗り越えてきたお過去や、渡辺精機の切削加工の技術力の高さ、そのルーツについてご紹介していただきました。その中で、緊急の発注も短納期で対応するために2週間以上先のリードの長い仕事は受けないことが多いが、それでも常に受注が入っている、というお話もあり、OSEKKAI salonのメンバーの皆さんも感嘆の表情を浮かべていました。
渡辺さんも数年後に事業承継を予定しているが先代の父親と意見が合わないことが多い、という悩みがあるという相談を先輩経営者の皆さんにしていました。先輩経営者からは意見が異なるからこそ会社が上手くいくというアドバイスや、先代が作ってきた歴史や積み上げてきた物を尊重しながら送り出すポジションを用意するといった具体的なアドバイスも出てきていました。