【前編】OSEKKAI salon in 焼津!活動報告レポート

ついにこの日がやって参りました。 今回のOSEKKAI salonの活動は、焼津の方々にもご協力いただき、1泊2日でOSEKKAI salonそのものを焼津で開催しました。

当初はマックスの正木さんが「会社見学・工場見学プロジェクト」として構想されていたプロジェクトでしたが、株式会社吉村の橋本隆生さん(第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞受賞企業)がOSEKKAI salonに登壇されたことをきっかけに、プロジェクトの方向性が大きく進化。

単なる見学にとどまらず、地域と企業、そして人との交流から、自社事業への学びと新たな視点を得ることを目的に内容も刷新されました。OSEKKAI salonからは18名ものメンバーが参加し、活気に満ちた2日間となりました。

 

株式会社吉村の訪問

まず訪れたのは、第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞した株式会社吉村さん。到着後は、吉村オリジナル商品である リーフティーカップで乾杯し和やかな空気の中で、20秒という短い時間に自分を凝縮して伝える独特のスタイル「吉村式自己紹介」を行いました。

続いて、社内の展示室を見学。吉村の歴史や直面してきた課題、それをどのように乗り越えてきたのか、さらに自社オリジナル商品や取り組みなどを丁寧に紹介いただきました。OSEKKAI salonメンバーの中には商品に惚れ、その場で購入してしまう方もいました。

また次に橋本隆生さんから「日本でいちばん大切にしたい会社」受賞企業ならではのユニークな仕組みの数々をご紹介いただきました。中でも印象的だった取り組みについて簡単にご紹介したいと思います。

● 経営計画発表会

入社4年目の社員が企画・運営を担うという驚きの仕組み。分厚い経営計画書の作成までもが若手に任されているとのこと。コロナ禍ではオンライン開催となっていた発表会も、今年ついに6年ぶりにリアルで実施されたそうです。

● ノーベル起案

社員が「自ら考え、動く力」を身につけるため、誰でも起案できる制度。
所定の「ノーベル稟議書」に「目的・目標」「現状」「課題」「対策」などを書いて提出すると、採用・不採用に関わらず1件500円が支給されるという画期的な取り組みです。

入社1年目の社員も起案できたり、社長であっても稟議が揉まれた上で却下されることもあるなど、立場に関係なくフラットに意見が通り、挑戦が歓迎される文化があるからこそ、社員一人ひとりが主体的に動き、新しいアイデアが生まれ続けていることが伝わってきました。

このほかにも吉村さんらしい工夫や制度が次々と紹介され、OSEKKAI salonメンバーも興味津々。
「これらの仕組みはいつ頃から定着したのか」「順調に見える今も、当初はやはり課題があったのか」「改革が加速したタイミングは?」など、多くの質問が飛び交い、学びの深い時間となりました。

 

PlayBallCafe訪問

株式会社吉村を訪問した後は、焼津のまちづくりの中心部にあるコミュニティカフェ「PlayBallCafe」を訪問し、PlayBallCafeを運営する株式会社ナインの渋谷さんに、この施設や会社としての取り組みについて説明していただきました。もともとは薬局だった建物を活用し、1階はカフェとして、2階はオフィスとして使われています。テラスからは壮観な景色が広がり、訪れたメンバーたちもその開放感に感嘆していました。

OSEKKAI salonのメンバーの中には、渋谷さんのように東京に会社を持ちながらも焼津の地で地域やコミュニティに関わる活動に憧れ、自分たちの事業に活かせるかと具体的な費用や運営方法について質問する姿も見られました。地域の中で事業とコミュニティが自然に交わる空間は、参加者にとって新たな気づきや刺激となる時間となりました。

 

焼津の皆さんとプロジェクト発表会

株式会社吉村での学びを終えた一行は、続いて「焼津ポーターズ」へ移動しました。焼津ポーターズは漁具倉庫をリノベーションして作られた施設で、宿泊・コワーキング・カフェなどが併設されています。地域の人も外から来る人も自然と集まり、交流が生まれる場として親しまれています。

まず到着後、メンバーはそれぞれ昼食へ。私はフードコートで名物の「かつおたたき漬け丼」をいただき、焼津らしさを感じながら午後のプログラムに備えました。

その後、会場に揃った焼津の方々に向けて、改めてOSEKKAI salonの活動趣旨や、これまで取り組んできたプロジェクトについて説明。ここから、メンバーによるプロジェクト発表会がスタートしました。

 

OSEKKAI salonメンバーのプロジェクト発表

最初の発表は、安久工機の田中宙さん。OSEKKAI salonの代表的な取り組みの一つである「ベンチャーフレンドリープロジェクト」について紹介しました。宙さんの自己紹介から始まり、安久工機の事業内容、これまで手がけてきた製品「Lapico」の開発経緯や試行錯誤のストーリーを交えながら、「ものづくりをしたい人が最初に直面する壁」について共有。

ものづくりを始めたい人(ハードウェアベンチャー)が最初にぶつかる壁を取り除き、①仲間のコミュニティ形成、②開発事例のデータベース化、③ベンチャーと町工場をつなぐWebプラットフォームづくり──といった取り組みを紹介しました。

焼津の方々からも参加者からは「うちも製造業だがぜひ相談に乗ってほしい」「焼津でもベンチャーフレンドリーを普及させたい」という声が上がるなど、大きな反響がありました。

 

ロクイチ61・岡谷さん × 極東精機製作所・鈴木さん 「TRIBElllA TOKYO プロジェクト」

次に登壇したのは、バイクレーサーの岡谷さんと製造業の鈴木さんです。両社がタッグを組み女性ライダー向けにファッション性と機能性を両立したバイクパーツを開発する「TRIBElllA TOKYO」プロジェクトを紹介しました。

これまで男性向けが中心だった業界に女性視点を持ち込み、新しいモーターサイクルカルチャーをつくる挑戦です。大手卸との商談も進むなど、今後の展開に期待が高まる内容でした。

また岡谷さんがバイクの魅力を普及させるために行っている、電動キッズバイク体験イベントの紹介も行いました。後に行った試乗体験会は大焼津の子どもたちで大盛況。今後もイベント開催が行われる様子で、プロジェクトの可能性がさらに広がっていくのを感じられる時間となりました。

 

ナイン・渋谷さんの発表

焼津出身の渋谷さんからは、東京と焼津の二拠点で展開してきた活動について紹介がありました。

Homebase YAIZU や PLAY BALL CAFE などの地域コミュニティ作りなどのこれまで手がけてきた取り組みや、今後の展望が語られました。渋谷さんが「人が集まり、つながり、活動が生まれる場所」をつくる役割を担ってきており、これからも焼津を盛り上げていきたいという強い想いが伝わってきました。

一方で、事業を継続させるための安定した収益構造、人材不足・本業の忙しさなどによるリソースなど、現在直面している課題についても共有していただきました。単なる地域紹介にとどまらず、地域に根ざして活動することの喜びと難しさ、その両方を率直に語っていただいたことで、参加者同士が互いの経験を持ち寄り学び合う、OSEKKAI salonらしい時間になりました。

 

吉村・橋本隆生さんによる焼津のまちづくりプロジェクト

最後の発表は、今回の旅のキーパーソンである橋本隆生さん。自社紹介に加え、自身がどのように地域のまちづくりへ関わってきたのか、その背景を丁寧に語っていただきました。

最初のきっかけは、奥様が個人事業主として「おむすび屋さん」をオープンしたことでした。プレイボールカフェの軒先で販売を行ったことを機に、地域との関わりが一気に広がり、活動を通じて市役所職員の方々との接点が生まれました。そこから巻き込まれる形で焼津PORTERSへ参画し、さらには「二地域居住促進事業」を吉村さんとして受託するまで活動が広がっていきます。

続いて、橋本さんが現在感じている悩みや課題についても率直に共有していただきました。
1つ目の課題はとして「自分一人で走るには息切れしている。仲間がほしい。」橋本さんはそう率直に語ります。これまで誰かに一緒にやろうと声をかけたことはほとんどなく、この日が初めてだったとのこと。

すると会場にいた焼津のメンバーから次々と手が上がり、「一緒に頑張るので、ぜひ声をかけてください」と力強い言葉が寄せられました。また商工会議所の方からは、「企業は連携が重要。経営者の悩みも含めて、橋本さんの本音を初めて聞けた。こういう場がないと共有できないので、これからも対話の機会を作っていきたい」といったコメントもあり、会場は温かい空気に包まれました。

もう1つのテーマは、「帆や」とその周辺エリアである浜通りをどのように活性化していくか。

帆やは、焼津信用金庫の前身「焼津生産組合」を設立した服部安次郎氏の生家で、数年前に焼津市が1〜2億円規模の大規模改修を行い、一棟貸しの宿泊施設として生まれ変わった場所です。しかし、存在意義や魅力が地元の方々に十分浸透していないという課題があります。

そこで今回は、OSEKKAI salonメンバーと焼津メンバーが入り混じり、それぞれが「この課題を解決するにはどうすればいいか」「「帆や・浜通り・焼津で何をしたいか」などを考えながら議論を深めました。

議論の内容の発表では、「帆や単体だけで考えても活性化しない。通り全体やエリア全体を盛り上げる設計が必要だ」という意見や「事業としての持続性を再設計すべきでは?」といった率直な意見もあり、地域の未来を本気で考える議論の場となりました。

 

焼津ポーターズで懇親会

夜は焼津ポーターズにて懇親会が開かれました。焼津ならではの新鮮な食材を使った料理や地元の飲み物を用意していただき、会場は一気に和やかな雰囲気に包まれます。

OSEKKAI salonメンバーと焼津の皆さんは、仕事やプロジェクトの話を交えながら自然に交流を深め、その場から新しいビジネスやコラボレーションの芽も生まれていました。会話と笑顔があふれ、まさに大盛り上がりの時間となりました。

さらに、焼津の名物「カツオの藁焼き体験」も実施。参加者自らがカツオを捌き、火を起こして藁焼きに挑戦するという貴重な体験に、OSEKKAI salonメンバーは全員大興奮。普段なかなか触れることのできない体験を通じて、メンバー同士の距離もぐっと縮まった一夜となりました。

 

帆やでの宿泊・懇親会を経て1日目が終了

参加者は宿泊場所である帆やに移動し、伝統を感じられる居心地の良い空間で1日目の最後を過ごしました。懇親会も続き、一部の焼津メンバーの方々も加わって交流を深めることができました。その後は懇親会を徐々に終え、翌日に備えて就寝しました。

焼津での1日目は、企業訪問やプロジェクト発表を通じて、多くの学びと交流が生まれた濃密な一日となりました。株式会社吉村での取り組みや、焼津のまちづくりに携わる方々の話を通じて、メンバー一人ひとりが新しい視点や刺激を得ることができました。

懇親会では、美味しい食事や地元の体験を楽しみながら、参加者同士の距離がぐっと縮まり、プロジェクトのアイデアや協力の芽も生まれるなど、実践的な学びだけでなく、コミュニティとしての結束も深まりました。

1日目の活動を通じて、参加者は今回の学びをさらに深める体験を行い、充実した時間を過ごすことができました。後編の記事も近日公開予定ですので、ぜひお楽しみに。